Leica M (Typ262)を買った

Leica M Typ262を買いました.

ここから先は買うまでの経緯や自分とカメラの関係とかを書き連ねるので読み飛ばしてもらって構いません.

人生でのカメラ

今までの自分のカメラ道を振り返ってみると,一番初めは幼稚園の頃にクリスマスプレゼントとしてもらったチェキでした.チェキをもらってから,ベランダのスリッパや帰って来てからこたつに籠もる父親,アンパンマンの映ったブラウン管テレビなど,デジタルカメラと違ってフィルムにお金がかかるにもかかわらずしょうもないものをたくさん撮っていました.今でも電池とフィルムを入れれば動くはずです.こればかりは処分できずに保管してあります.

小学校の夏休み,父親のミノルタの一眼レフを旅先で落としてしまい,修理行きにしてしまったことをよく覚えています.

そして時は経ち,小学校のいつ頃でしょうか,小学生に(主に付録が)大人気の通信教育の夏休み号の付録として夏のかんさつカメラというものが付いてきました.当時の私は一眼レフを落としてしまい触らせてもらえなくなっていたので,その付録を持っていろんな写真を撮った記憶があります.現像は近くの写真屋に頼んでいたので,終わるまでのワクワク感はフィルムならではでした.

小学校のお小遣いからしたらフィルムや現像代は高く,しばらくはカメラから離れていました.

2014年頃でしょうか,レンズスタイルカメラと呼ばれるディスプレイが省略されたコンパクトデジタルカメラが発売され,デザインやコンセプトに惹かれて近くのカメラのキタムラで購入してとりあえずプログラムオートでどんどん撮影していました.

その後,RX100シリーズの評判が良いということを聞き,DSC-RX100M2に乗り換えました.

そこからカメラスパイラルに陥ってしまうのですが,定期的にカメラが欲しくなる時期とスマホのカメラで十分なのでは?と思って売却してしまう時期を繰り返してしまっていました.そのため,コンデジではRX100M2とRX100M3,RX100M4,ミラーレスはα7IIとα7IIIをそれぞれ1回ずつ買ったことになります.アホです.

カメラに求めるもの

RX100M2とM3の間にα7IIを購入しました.レンズははじめにZeissのLoxia 2/50を買いました.

初のフルサイズミラーレスということもあり,博多まで出向いて7年位の付き合いになるG氏と一緒に買ったLoxiaを開封して天神地下街の色々を撮影したようなことを覚えています.

後日広角レンズとしてBatis 2/25を購入してしばらく使っていたのですが,いつの間にかRX100シリーズを使っていたときに感じていたつまらなさを感じていました.加えて重いな,大きいなと感じていたのでカメラレンズ群は売却してコンパクトなRX100M4に戻りました.

しかし,やっぱりRX100M4だと撮ってる感じがしなくてα7IIIに戻るのですが,ここでレンズにSIGMAの24-70mm F2.8 DG DNを選んだことで今後の選択方向が定まりました(自分がカメラに何を求めているかに気づいた).

SIGMAのズームレンズが初のズームレンズだったわけですが,ズームリングを回し被写体がいい感じの大きさになればシャッター半押しでピントを合わせてシャッターを切るというルーチンがやはり面白くなく,ここに来てやっとカメラという趣味道具に求めるものに気づくことができました.

つまり,自分で絞りリングを回して光の量を調節し,自分で物理的にピントを合わせてシャッターを切り,シャッター音を耳で感じてシャッター感覚を手で感じることを僕はカメラに求めていたわけです.

Batisは絞りリングがありませんし,ピントリングはレンズ位置を操作していると言うよりもレンズ位置を動かすモータの操作を行っているに過ぎず,イマイチこの手でピントを合わせている実感が得られなかった故のつまらなさだったのではないかとここで気づきます.逆に,Loxiaは絞りリングがあってピントリングは回せばその分レンズが移動し合焦するフルマニュアルなレンズでしたからつまらなさは感じなかったのだとも気づきました.また,表現によりますが普段撮りでは手動でISOやシャッタースピードを設定することは求めていないようです.

イカとの出会いとライカ

自分の求めている絞りリング,ピントリングが完全マニュアルなレンズを探していたときに,Elmarit-M 2.8/28mm (3rd)と出会いました.

レンズデザインはもちろんですが,そのコンパクトさに大きく惹かれました.ちょうど年始京都旅行をしており,神戸のカメラのナニワに在庫があったので実際に店まで出向いて購入しました.その際SIGMAのズームレンズとZeissの16-35mmレンズを査定してもらったのですが,普通にマップカメラのほうが買取良かったのでその旨伝えると,とても良くしてもらったのでカメラのナニワさんは良いですよ.おすすめです.マップカメラは実店舗行ってもそういうことがないというか価格を変えることはできないらしいので… (もしかすると関西式商売だったのかも?)

結局Leica Mを買う直前は,α7IIIにLoxia 2/50(また買いました)とLoxia 2.8/21にElmarit-M 2.8/28mm,Elmarit-R 2.8/135mmを加えて4本運用していました.

 

先日また所要で博多に向かい,余った時間に例のG氏に会うことになりました.彼のかばんにはLeica M9が入っており,ちょうどElmaritでLeicaに興味があった頃だったのでボディも気になり触らせてもらいました.

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Sony ILCE-7M3, ZEISS Loxia 2/50, ISO4000, f/7.1, 1/50sec

ファインダーを覗き,ピントノブに手をかけて二重像を合わせてシャッターを切る.ミラーレスと違うのは二重像を合わせるか,ピントリングを回して狙った被写体がシャープになるところでEVFで確認して止めるかの違いだけですが,実際レンジファインダー機を体験してみるとこれが楽しい.

シャッターの感覚・シャッター音を初めて体感した時,今思い返すと一目惚れのようなものをしてしまったのかもしれません.当時はシャッターを切った後のジー…という音が気になってましたが(なんの音だ?と).

続いて福岡のライカストアへ向かってM10を触らせてもらい上品なシャッター音に惚れ込みました.

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Sony ILCE-7M3, Leica Elmarit-M 2.8/28, ISO250, f/?, 1/30sec

G氏にはM-Eがオススメと教えてもらいましたが,CCDの問題があるとか何とかに加えてあまり流通していなかったので他のモデルを探し始めました.

紆余曲折あり,最終的にLeica Mの240か262のどちらかにしようというところまで来て,重すぎると持ち運ばなくなることはα7の時に判明しているのでTyp262に決めました.簡単な動画はiPhoneで4K撮影できる時代ですし,液晶画面でピント合わせできる機能はあれば良いですけど二重像でピント合わせたいですので無ければないで良いです.唯一ペイントがはげて真鍮の金地がでるエイジング的な奴は惹かれましたが.

手放す理由を探しだす

Leicaのことを調べているうちに,買って満足している人はたくさんいるけど手放してしまった人はどういう理由で手放しているのだろうか?ということが気になり始めてきました.なにせ高額すぎる買い物になってしまうので衝動買いで後悔することはどうしても避けたかったので.

一通り調べてみると,その大多数は壊れてしまった時の修理代を心配する人でした.むしろ,それ以外の理由があまりない.

それくらいの理由ならまあ大丈夫だろう,Mマウントのレンズを1本持っているので,あとはボディを買えばすぐに撮影できます.気持ちはもう購入に傾いていました.

Leica M (Typ 262) を買った

少し高かったですが,1年保証があることもありマップカメラで購入しました.

ここで配送に関する文句を一つ.ヤマト運輸の宅急便補償上限額は30万円で,それを超える補償が必要な場合はヤマト便に任意保険をつけて配送する必要があります.今回余裕で30万円を超えていましたが,当たり前のように宅急便で送られてきたことだけは何とかして欲しいと思いました.高額商品をたくさん取り扱っているマップカメラですしいその辺はちゃんとしているだろうと思っていたのですがそうでもありませんでしたね.もしもの時にどうしようもならないので困ります.

そんなこんなでLeica M (Typ 262) + Leica Elmarit-M 2.8/28のペアで記念撮影.この時はまだα7IIIを手放していなかったのでカメラを撮るカメラがありました.

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Sony ILCE-7M3, ZEISS Loxia 2/50, ISO100, f/11, 1/160sec

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Sony ILCE-7M3, ZEISS Loxia 2/50, ISO320, f/10, 1/160sec

このElmaritはシリアルからみて1991年製造のものみたいですね.私よりも年上.

α7IIIやレンズは当たり前として,しばらく使っていなかったけど愛着があった銘機と呼ばれる生産中止になってしまったイヤホンやDNNのために自費で購入したけど研究室に性能の良いマシンが入ったので動画変換にしか使っていなかったGPU,CDを大量に借りた時効率が悪いと感じて買った2台目のBlu-rayドライブなど,ライカを買うに当たって色々なものを手放しました.ですが,それを差し引いても手に入れる決心をしてよかったと思っています.所有欲が満たされるとはまさにこのことで,カメラを使わない日も眺めるだけで満足できてしまうカメラはライカくらいじゃないでしょうか.

結局28mmだけだと広すぎると感じ,Summaritの2.4/50とSummaronの3.5/35(Lマウント前期)をヤフオクでついさっき落札しました.Leicaで望遠は役が違うと感じているので,ひとまず使いそうな焦点距離は揃えたことになります.

ズマロンはシリアルより逆引きすると1951年製造らしく,半世紀以上を生きるレンズの描写が今から楽しみです.

作例

カメラ初心者みたいなところあるので拙作ですがいくつか気に入っているものを.

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Leica M (Typ 262), Leica Summarit-M 2.4/50, ISO200, f/6.8, 1/750sec

水の質感の表現力が想像以上でした.博多駅屋上です.

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Leica M (Typ 262), Leica Elmarit-M 2.8/28, ISO200, f/6.8, 1/750sec

ちょうど良いカーブがあってそれっぽくなりました.新宿駅から迷いつつマップカメラに向かう途中です.

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Leica M (Typ 262), Leica Summarit-M 2.4/50, ISO200, f/2.4, 1/180sec

一定の"古い"を通り越すと雰囲気を醸し出して古臭いからレトロに昇格する,そんな門司港駅

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Leica M (Typ 262), Leica Elmarit-M 2.8/28, ISO200, f/8, 1/2000sec

逆光だとどうなるんだろうと思って撮影.出てきた光と影の表現が気に入ってます.JR秋葉原駅昭和通り口のアキヨド出口あたり.

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Leica M (Typ 262), Leica Summarit-M 2.4/50, ISO800, f/6.8, 1/180sec

雑草の上に落ちた桜の花.小雨が降っていたのですが,葉っぱの上に浮く水滴も完璧.近代のレンズといった感じです.

余談

イカを買ってお楽しみ会 (※)に持って行って古い友人に触らせたら最近その友人もV-LUXですがライカを購入していました.なんでも,彼が推している声優さんがこのカメラを持っているとか?

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Leica M (Typ 262), Leica Summarit-M 2.4/50, ISO1000, f/2.4, 1/90sec

イカ病と触らせたら伝染するというネタもあながちネタではないのではないか…?と思いました.

※…小学校の頃からの友人たちと休みが合う日に不定期に集まって宅飲みをする会.楽しいです.